freee人事労務にて勤怠管理、給与計算を運用するにあたって、運用に配慮が必要になる事例を以下に記載いたします。
導入するにあたり、ご参考にしていただけますと幸いです。
freee人事労務では、法定内残業・時間外労働・60時間超時間外労働・深夜労働・法定休日労働の5種類の割増賃金設定が可能ですが、これ以上の細かい条件設定には対応していません。
月給者の残業単価を「平均所定労働時間」ではなく、毎月のカレンダー上の所定労働時間で計算している場合、freee人事労務での運用は難しくなります。
freee人事労務では、打刻時間をもとに労働時間を計算するため、半日有給の取得タイミングによっては、本来不要な遅刻・早退が発生することがあります。
有給休暇の消化順序について、自社の就業規則や運用で「前年度からの繰越分ではなく、新しく付与された有給から先に消化する」というルール(新規付与分の先出し)を採用している場合、システムごとの仕様の違いに注意が必要です。
| 対象製品 | 新規付与分の先出し消化 | 特徴・運用の見通し |
|---|---|---|
| freee人事労務 | ❌ 対応不可 | 繰越分(有効期限が近い方)から先に消化する設定で固定されているため、ルール通りの自動計算ができません。 |
| freee勤怠管理プラス | ✨ 対応可能 | 「新規付与分から先に消化する」運用が可能です。自社の就業規則や柔軟な休暇ルールに合わせて、スムーズに自動管理・運用が行えます。 |
住民税は通常、6月〜翌5月分を給与から徴収し翌月10日に納付しますが、支給日が早い場合(例:毎月5日払いなど)には「当月徴収」で運用されているケースがあります。
※この運用は比較的少数(体感で約20社に1社程度)ですが、設定・管理が煩雑になりやすい傾向があります。
freee人事労務では、一度設定した締め日・支払日を後から変更する場合、多くの制約や注意点があります。
また、締め日から支払日までの期間が短いと、月次の勤怠チェックや確定処理の猶予がなくなり、処理負荷が高くなるため注意が必要です。(一般的には15日程度の余裕があると安心です)
| 企業規模 | 10日以内 | 11〜20日 | 21日以上 |
|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 約15% | 約60% (最多) | 約25% |
| 100〜999人 | 約25% | 約55% (最多) | 約20% |
| 30〜99人 | 約45% (最多) | 約40% | 約15% |
| 支払日 | 構成比 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 25日 | 約50〜60% | 国内で最も一般的な支給日 |
| 20日 | 約15〜20% | 金融機関や社内窓口の月末の混雑を回避するための設定 |
| 月末 | 約10〜15% | 「当月働いた分を当月中に支払う」企業に多い傾向 |
| 15日 | 約5〜10% | 一部の公務組織や歴史のある伝統的な企業に見られる設定 |
freee人事労務では、遅刻・早退・欠勤控除の計算において一定の端数処理設定が可能ですが、自社の現在の計算ルール(就業規則)によっては、導入時に既存の計算結果と1円単位の差が生じることがあります。
欠勤時の控除単価の分母(例:その月の所定労働日数)と、残業代(割増賃金)を計算する際の単価の分母(例:年間平均の1ヶ月平均所定労働日数)を別々に設定して運用している場合です。
月の途中で入社または退社した従業員の給与について、当月の「暦日数(30日や31日)」を分母にするのか、「当月の所定労働日数」を分母にするのか、あるいは「一律30日」とするのか、会社ごとの個別ルールが存在する場合です。
シフト制や変形労働時間制を採用している場合、シフト管理画面でのシフト登録や、CSVによるシフトの一括インポート機能を利用する際、現状は処理速度が遅く、対象となる従業員数が多いと更新に時間がかかることがあります。
| 対象製品 | 処理速度 | 特徴・運用の見通し |
|---|---|---|
| freee人事労務 | ⚠️ やや遅い | 人数が多いと更新完了まで時間がかかり、処理待ちのストレスが発生しやすい傾向があります。 |
| freee勤怠管理プラス | ✨ スピーディ | ストレスのない時間内にサクサクと更新処理が完了するため、大人数のシフト管理も快適に行えます。 |
freee人事労務では、各種手当の割増率が以下の基本値(パーツ)ごとに独立して計算される仕様となっています。
そのため、たとえば従来の給与計算で「休日深夜=160%」として一発計算していた会社の場合、freeeでは「休日労働(135%)と深夜(25%)の手当をそれぞれ別々に計算して合算する」というイメージになります。
| 比較項目 | 従来の一般的な計算 | freee人事労務の計算 |
|---|---|---|
| 計算の方法 | 割増率 160% で一括計算 | 休日(135%)と 深夜(25%) を別々に計算して合算 |
| 端数処理 | 計算が1回のため、端数処理も1回のみ | それぞれの計算ごとに端数処理が挟まるため、合計額に数円の差が出ることがある |
| 給与明細の表示 | 「休日深夜手当」など1行でまとまる | 「休日労働手当」と「深夜手当」に分かれて表示される |
毎月変動する「営業手当」や「技能手当」を支給している場合、これらを法律上の「割増賃金の基礎から除外できる手当」と誤認して設定してしまうケースです。
freee人事労務では労働基準法に準拠して自動計算が行われますが、自社での運用ルール(手当の不支給など)と乖離がある場合、手動での調整や運用の見直しが必要になります。
代休を別の勤怠締め期間(翌月など)に取得し、もともと休日だった労働日に勤務した場合、その月の割増手当(35%または25%)だけを支給しようとすると、freeeの標準仕様と一致せず運用が煩雑になります。
freee人事労務では、固定給(基本給や定額手当)に対する残業代は自動計算されますが、歩合給(インセンティブ)に連動する割増賃金の自動計算には対応していません。
そのため、歩合給がある場合の割増賃金については、毎月の締め日後に別途外部(エクセルなど)で計算を行い、個別に作成した手当項目へ手動で金額を入力するという運用が必要になります。
freee人事労務では、1ヶ月の総労働時間における端数処理(通達に基づき認められた処理)を設定できますが、集計する残業の種類によって対応可否が分かれます。
行政通達(基発150号)で1ヶ月単位の端数処理が認められているのは、あくまで「割増賃金(法定外・深夜・休日)」の計算に関わる時間についてです。そのため、freeeはこれに厳格に準拠した仕様(法定内残業は対象外)となっています。
freee人事労務には、設定したみなし時間(例:月30時間分など)を実際の残業時間が超えた場合に、超過分の手当を自動で計算・支給してくれる便利な「固定残業代設定」機能があります。しかし、この機能を使う際には重要な注意点があります。
便利な自動超過計算(freeeの固定残業代設定機能)のメリットを享受しようとすると、手当そのものを勤怠控除に連動させることができなくなるため、自社の就業規則(賃金規程)の減額ルールとの間で矛盾や支給ミスが生じやすくなります。
労働基準法上、有給休暇を取得した日の賃金計算には3つの選択肢がありますが、freee人事労務が自動計算に対応しているのは、最も採用ケースが多い「通常の労働時間を労働した場合に支払われる通常の賃金」のみです。
これらの計算方法は実務上の採用ケースが比較的少ないため、freeeでは標準機能として組み込まれていません。そのため、現状のルールのままシステムを導入しようとすると、計算ミスや手動運用の肥大化につながります。
freee人事労務は非常に便利なシステムですが、独自の計算ロジックがあるため、自社の就業規則や独自の賃金規定と「ズレ」が生じ、導入後に運用がうまく回らなくなるケースは少なくありません。 後から修正する手間やコストを防ぐために、事前の「業務設計」が何よりも重要です。当事務所では、貴社の現在の就業規則や運用がfreeeと一致するか、熟知したプロが診断・サポートいたします。まずは安心してお気軽にご相談ください。
無料でお見積り・ご相談をする2026年5月に、フリー株式会社(〒141-0032 東京都品川区大崎1-2-2アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 21階)に御挨拶にお伺いし、日頃の弊社の活動、freee導入支援について評価、印象やご意見を頂戴いたしました。
ご協力いただいたフリー株式会社(部長)植村様、(マネージャー)折原様、池田様 誠に有難う御座いました。以下、そのやりとりをまとめた記事となります。
【しくみ労務グループ】
株式会社しくみアレンジ(DX支援)
有限会社しくみサポート(給与計算BPO)
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